信用取引が行われることで、株式売買の需給ギャップを解消でき、円滑な取引を実現できる。信用買い残とは、信用取引を通じて買われた株の残高のことである。信用売り残とは、信用取引を通じて売られた株の残高のことである。
ある銘柄の信用買い残が多いことは、それだけ、その銘柄の株価上昇に期待している人が多い現れでもある。しかし信用取引では、定められた期間(制度信用取引では6ヶ月)以内に、かならず、反対売買をしてポジションを整理しないといけない(これを手じまいという)。つまり信用買い残が多いと、将来、手じまいのための売り圧力が強くなってしまう。信用売り残が多いと逆に、将来の買い圧力が多くなる。
信用買い残と信用売り残との比率を、貸借倍率と呼ぶ。貸借倍率が高いことは、信用買い残が多いことを意味する。人気を集めた銘柄では、信用倍率が10倍から100倍を超えることも珍しくはない。
貸借倍率が1倍に近い場合、銘柄の取り組みが良いという。このとき信用残そのものが高いとより好ましい状態にある。相撲でいえば大関や横綱ががっぷり四つに組んでいるような状態だ。つまり信用買いと信用売りが拮抗し、市場エネルギーが集まっている。
貸借倍率が極端に高かったり、あるいは低かったりするとき、取り組みが悪いと呼ばれる。このとき買いや売りが一方に寄っているので、反対の立場を取る者は新たな買いや売りを入れにくく、市場エネルギーが集まりにくくなっている。
信用取引には期間の制限があり、また金利も発生するので、同じポジションをいつまでもとり続けることは現実的に難しい。したがって買い方はいつか売りに回り、売り方はいつか買いに回る。そのため、目を付けた銘柄を売買するときには、信用買い残や信用売り残にも注意してみるといい。
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