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強気の二階建て

最終更新日:2008年10月10日

信用取引には二階建てと呼ばれる手法がある。この手法は信用取引の中でももっとも強烈かつリスクの高いものなので、初心者には決してお勧めできない。もし挑戦するならそれなりの覚悟を決めてからにしたほうがよい。二階建て取引に失敗して億に近い借金を抱えてしまった個人投資家も実在する。

さて二階建てとは、現物として買った株を担保にして、同じ銘柄の株を信用取引でも買うことである。現物と信用とで、別枠を使って同じ銘柄をそれぞれ買うことではない。あくまで、担保にする株と、その担保を元に買う株を、同じ銘柄にすることなのだ。それゆえにこの手法は二階建てと呼ばれるのだ。

信用取引では保証金として現金の振り込みだけではなく、保有している現物株を活用することもできる。通常、時価の80%が担保金として扱われる。たとえば時価20万円のA社株を現物取引で10株保有しているとしよう。10株をすべて担保として差し出した場合、20×10×0.8=160万円の保証金と同等の価値が発生する。そのため、160万×3=480万円分の信用取引枠が新たに生まれるのだ。

この株で二階建て取引するなら、時価20万円のA社株を24株買うことになる。こうして、現金としては200万円しか口座に用意していないのだが、株としては680万円の取引を行うことができる。

この状態をフルレバレッジという。通常の信用取引よりもレバレッジが強く利かせているため、「フル」の接頭語が着く。言い換えるとこれ以上のレバレッジは掛けられないほどのレバレッジ、との意味もある。そのためリターンもそうだが、リスクもより一層高まってしまう。株価が上がれば、現物の上昇分と、信用の上昇分の恩恵を同時に得られるので、利益は飛躍的に増加する。逆に株価が下がれば、信用取引で購入した株、そしてその担保となっている現物の株の、両方の資産価値が同時に目減りしてしまう。気が付くとあっというまに価値がゼロになることもある。実に理論的には、二階建ての場合、株価が半分に下落した時点で資産価値がゼロになるのだ。

このように二階建ては非常に危ない取引手法だと言える。とくに相場に急変が生じたときがやっかいだ。下落の影響をもろに喰らうことになる。追証のあまりの額に驚き、相場からの撤退を余儀なくされることも現実に起こりうる。

賢明な投資家なら二階建ては避けるべきだ。ただ相当の自信と、ゆとりある資産を持ち合わせているなら、二階建てを利用して一発大きな勝負に出てもいいかもしれない。うまく成功すれば短期間で巨額の金融資産を手に入れることができる。

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