株価は市場内外の材料(情報)によって激しく影響を受け、変化する。たとえば金利の上昇が伝えられれば、多額の借入金を必要とする不動産業の株価は下落する傾向になる。しかし、株価を変動させかねない材料が公表されても、株価に影響をほとんどあるいはまったく与えないこともしばしば起こりうる。このようなとき、その材料は株価に「織り込み済み」だと表現される。
つまり織り込み済みとは、銘柄の株価に影響を与えうる各種の材料が、発表される前に多くの投資家によって意識され、彼らの投資活動に影響を及ぼし、事前に株価に充分に影響を与えてしまうような状況を指す言葉だ。
株式投資に関する報道では、織り込み済みという言葉が頻繁に用いられる。たとえば日銀による量的緩和政策が解除されたあと、3月27日の公示地価発表の際には、「地価は株価に織り込み済み」と報道されている。このように、予想に反して材料が株価が影響を与えなかった事実を軽い驚きを持って表現するとき、織り込み済みは非常に便利に用いられる。
ただし「織り込み済み」は、とって付けたような後付の言葉として語られることも多い。証券アナリストやジャーナリスト達は、株価についての自分たちの予想が意に反し異なったものとなったときに、苦し紛れの言い訳としてこの言葉を口にすることもある。投資の法則をご覧になっている読者諸氏は、材料が株価に本当に織り込み済みなのかどうか、ご自身の見識をもって判断する姿勢を身につけられたし。
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